今月のクローズアップ

Precious 今月のクローズアップ 気になる特集の舞台裏

[49ページ立体企画]
スタイリスト犬走比佐乃さんが時計の聖地スイスからレポートします

なぜ、大人の女性は「運命の腕時計」を探し続けるのか!?
P163-P211(全49ページ)


編集担当
喜多 容子
本誌エディトリアル・ディレクター

毎年、春になると、スイスでは世界最高峰といわれる2大時計フェアが開催されます。ジャーナリストやバイヤーなどを招いて完全招待制で行われる「SIHH(Salon International de la Haute Horlogerie)」(通称・ジュネーブサロン)と、スイス北西部、ライン川のほとりバーゼル州で開かれる世界最大規模の時計の見本市「バーゼルワールド」です。この時期、スイスには世界中の時計ブランドが一堂に会し、それぞれの新作時計が一斉に発表されます。今回は、本誌でも活躍中の人気スタイリスト犬走比佐乃さんとともに、2大時計フェアに沸くスイスで、今年注目の新作腕時計の魅力をレポート。それぞれの会場の熱気や、時計をポイントとした着こなしも合わせて、全49ページのボリュームでご紹介します。

特集内でご紹介している新作腕時計は全部で85本。それぞれのブランドの中で目玉となるものや、プレシャス世代の女性が身に付けるのにふさわしい時計の数々を選んでいます。トレンドの傾向として、まず目についたのが、フェースが丸形のものです。数年前まで一大ブームとなっていたトノー形に代わって、女性用の丸形のウォッチが徐々に増えているという印象を受けました。素材の面では、セラミックやラバーのベルトも目立っていましたね。そして、今シーズンの大きな傾向のひとつとなるのが“機械式時計”です。これまで、機械式時計=男性のものというイメージがあったのですが、今季はそれよりも小ぶりな、女性専用のものがさまざまなブランドで展開されていました。機械式の時計は、電池で動くのではなく、ゼンマイと歯車がひとつひとつ噛み合って動く、言ってみればとてもアナログな時計。今回、犬走さんと一緒に、その工房も取材したのですが、機械式時計って本当にミクロの世界なんです。ひとつの時計に100個以上の歯車が使われているものや、中には、100年に1回だけ動く歯車を搭載しているものも。コンピューターやデジタル全盛の今の時代にあって、歯車の組み合わせだけで時を刻む機械式時計の精巧さに新鮮な感動を覚えるとともに、神秘すら感じました。かすかな振動や「チチチ」と秒針が刻む音……腕時計には、デザインや、ファッション性だけでなく、「時を感じる、楽しむ」という大きな価値があることに気付かされました。犬走さんも私も、今回の取材を通して、あらためて腕時計の奥深さ、新たな魅力を発見することができたような気がします。

また、今回は、腕時計だけでなく犬走さんの出張コーディネートも掲載。フォーマルなドレスコードのあるパーティーなど、さまざまなシーンに合わせた犬走さんの着こなしのセンス、私物時計とのコーディネート術はさすがの一言。実は、今回、春夏もののたくさんの私服を犬走さんに用意していただいたのですが、撮影時期は4月初旬……取材中にはみぞれや雪が降った日もありました。普段、スタイリストとして撮影に立ち会っている犬走さんですが、「冬なのに春の恰好をしなきゃいけないモデルさんたちの気持ちがわかったわ(笑)」と仰っていました。1日7〜8社のブランドを回るという過密スケジュールの中、犬走さんにとっても、スタッフにとっても、非常に大変だった今回の取材ですが、そのぶん、ぎっしりと充実した特集になっていると思います。腕時計の奥深い魅力を、ぜひ楽しんでご覧いただけたら嬉しいです。


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