今月のクローズアップ

Precious 今月のクローズアップ 気になる特集の舞台裏

<ファッション立体特集>
一見シンプルなのにかっこよく、洗練されて見えるのはなぜ?

着こなしも生き方も「趣味のいい人」になる! 大研究
P48-P95(全48ページ)


編集担当
喜多 容子
本誌エディトリアル・ディレクター

この企画が始まったきっかけは、あるファッションジャーナリストの女性との会話から。「毎年、いろんな流行のトレンドが発表されるけれど、それに左右されず、自分のおしゃれを持っている人って、“趣味のいい人”ですよね」というお話をしたんです。『Precious』ではこれまでも、プレシャス世代に差し掛かった女性たちのおしゃれや生き方について、いろいろな考え方を示してきました。今回の特集では、頑張って流行を追うのではなく、シンプルベーシックな着こなしながら、周囲の人から「あ、あの人趣味がいいよね」といわれるような、ゆとりのある大人の女性像をご提案しています。

この特集で目指したのは、ただ単純にファッションが素敵というだけではなく、その生き方にも一本筋が通っていて魅力的な女性。森瑤子さんや安井かずみさん、ココ・シャネルといった、素敵な女性の先輩たちが残してくれた言葉や、その人となりを調べながら、目標とするような女性像をふくらませていきました。また、編集部や読者モニターの方々、プレシャス世代のキャリア女性の皆さんと「“趣味のいい女性”とはどんな人なのか?」を話し合い、そこで出てきたさまざまな意見をもとに、具体的な章立てを考えました。

今回、特集を象徴するアイテムとしてひとつ、“エルメス”のバッグを日常使いするということにトライしています。“エルメス”のバッグはやはり女性にとっての憧れだけれど、若い年代で持つには貫禄が足りない。実は、私も若い頃に背伸びして買ったのですが、もう当時は全然似合わなくって。プレシャス世代になって、やっと使えるようになったかな、と思えるバッグなんです。借りもののように見えたり、バッグだけが宙に浮いているように見えてしまうのではなく、違和感なく“エルメス”のバッグを使いこなすには、重ねた年齢や醸し出す雰囲気、もちろんそれに見合った着こなしも必要。そういう意味で、“エルメス”のバッグは、大人の女性への試金石だと思います。

そのほか、この特集内で取り上げているものは、「黒」の着こなしやシャツ、デニムなど、ごくごく定番のアイテム。それをどんなふうに“サビていない”着こなしにするかというところに気を使いました。年齢を重ねるとともにセンスを磨き、それだけでとどまるのではなく、いつも挑戦する、前向きな気持ちを持って鮮度を磨いている……そんな女性こそ、今の時代の“趣味のいい人”ではないかと思っています。また、今回、女優の萬田久子さんや、日頃から私たちが「素敵だな」と思っている4人のキャリア女性に取材して、その生き方や考え方を掘り下げています。取材をしていく中で、それぞれの方が、『Precious』が考える“趣味のいい女性”にぴったり当てはまっていることに改めて驚きました。

特集の最初に、“趣味のいい生き方”を体現してきた女性たちの言葉をイメージ写真に載せてご紹介するページがあるのですが、実は、あの写真は、“趣味のいい人”を思い浮かべたときの、気持ちのよい空気感を求めてサイパンまで行って撮ってきたものなんです。ストレートにお洋服やアクセサリーなどの見た目だけでなく、このページを読む人に、その「空気感」が運ばれるような写真にしたいという編集長のたっての願いがありました。光と影、風や水面など、心が動く瞬間をとらえた美しい写真を眺めながら、その気持ちよさを感じていただけたらとても嬉しいです。


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