日本でもエステやスパのメニューに登場し、人気が高まっている「アーユルヴェーダ」。本来は、5000年前に南インドで生まれた、世界最古の体系的な伝統医学です。インドで体験する本格的なアーユルヴェーダの施術はPrecious7月号本誌でも紹介され、大きな反響を呼びました。健康で幸せな毎日を送るために、心と体をどうケアすればよいのか。本場のアーユルヴェーダクリニックに何度も訪れている超リピーターの大石敦子さんが、その現場を詳細にレポートします。
撮影/KINTA KIMURA・文/大石敦子Vol.05
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今月は、いよいよ「アーユルヴェーダ」治療のハイライト、トリートメントについてです。朝のヨガから始まるクリニックでの1日の滞在プログラムの中で、日々の楽しみは、やはりトリートメント!毎日、2時間ほど行われるトリートメントは、専任セラピストがすべてハンドマッサージで、頭からつま先まで全身をていねいにほぐしていきます。仕事のストレス、長旅の疲れ、慢性疲労などでコリ固まっていた体が揉みほぐされ「遥か遠いインドまで来たかいがあった!」と心底思わずにいられないほど、本場インドで体験する「アーユルヴェーダ」トリートメントは、至福のマッサージなのです。
ところが残念なことに、まだまだ日本では「アーユルヴェーダ」トリートメントの真の威力が伝わっていないよう。インド式といえば額からオイルを垂らす“シロダーラ”ばかりが有名だし、全身のトリートメントも、肌をなでるだけの手ぬるいマッサージをイメージしがち。けれど「アーユルヴェーダ」は世界最古の体系的な伝統医学。ハンドによるリンパマッサージのほかにも、オイル療法(ネトラ・タルパナなど)、ハーブ療法(ポリキリなど)と、実にさまざまなトリートメント方法があります。
約一週間の短期のリフレッシュが目的の滞在なら、数え切れない種類の中から下記のようなトリートメントが行われることが多いよう。(ただし、個人のプログラムは完全にオーダーメイドなので、ドクターに診断してもらうまではどのトリートメントを受けることになるかわかりませんので、ご注意ください)
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“アビヤンガ” セラピスト2名で、ハーブ・オイルを使い、ほど良い力強さで弧を描くように全身をほぐしていくマッサージ。血行促進、リラックス効果が高い。
“ポリキリ” 布袋にフレッシュ・ハーブを詰めて温めたボール状のもので、身体の痛みやコリがあるところを中心に、軽く叩きながら温める施術。
“シロダーラ” 温めたハーブ・オイルを額(「第3の目」と言われる眉間のチャクラのあたりから髪の生え際)に30分ほどゆっくり垂らし続ける施術。脳のリラックスを促し、深い瞑想状態をつくることで脳の疲労を回復させる。
“ネトラ・タルパナ” 眼が疲れている人に行う施術。小麦粉を粘土状にしたもので眼の周りに土手をつくり、その中に温めたギー(無塩バターを温めてつくる液体)を入れて、眼を開けたり閉じたりする。視力回復効果も高い。
“ピチチル” 温めたハーブ・オイルをふたりのセラピストが左右対称に身体にかけ続ける施術。ほど良い暖かさとかけられるオイルの心地良い刺激が全身をほぐす、「王様のトリートメント」と呼ばれるもの。(個人的な感想ですが、これ、ホントに心まで溶かされます!)
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「アーユルヴェーダ」では、最初のドクター・コンサルティングで得た多岐にわたる患者の情報を考慮して、その人に合ったハーブとオイルとマッサージの種類を決めます。同じ種類のマッサージでも、使用するオイルやハーブは症状によって違います。オイルを使ったハンドマッサージは、コリをほぐして血行を良くするだけではなく、浸透性の高いオイルにミックスされたハーブの成分が、15分で骨髄まで達するそう。だから単に心身が気持ち良くなるリラクゼーション効果だけではなく、腰痛や頸椎症、膝の痛み、頑固な肩こりにも即効性のある治療なのです。そして循環が高まった体の内側では、隅々まで散らばっていた毒素が動かされて、どんどん腸に集められます。滞在プログラムの最後には、ハーブの下剤か浣腸法(体質や状態によってドクターが決めます)で、集めた毒素を腸から一気に排泄。これぞ究極のデトックス!!
身体の内側に特に問題がなければ(まあ、「ない」ということはありませんが)、全身のスクラブやミルクライスのスキン・トリートメント、顔に施すさまざまなパックなど、ビューティに特化したコースも組んでもらえます。インドでは、結婚式の日取りが決まると、花嫁は何か月も前から内側も外側も磨き立てるコースを受けるそうです。アーユルヴェーダでは、「健康=美、若さ」です。身体の内側がキレイになれば、もちろん外側も美しくなりますが、そこでさらに外側を磨くことも立派な健康法の一部。私も、もっともっと内側のデトックスに励み、早くビューティ・コースを受けたいな〜なんて思っています。
*アーユルヴェーダ
サンスクリット語の「アーユス(生命)」と「ヴェーダ(真理・科学)」を組み合わせた『生命の科学』の意味。約5000年前に南インドで発祥したインド哲学を基盤にした世界最古の体系的な伝統医学。
大石敦子(おおいしあつこ)
リュディック・ホリスティック・ヘルス・デザイン代表
1958年生まれ。ミラノでのコーディネーター、海外ブランドのPRオフィス運営を経て、2006年からアーユルヴェーダに集中して取り組む。南インド・カリカットでの1ヶ月滞在をはじめ、スリランカも含めた5箇所の施設で滞在治療を受ける。
またインドのワンネス・ユニバーシティにてスピリチュアル・ワークショップ「21日間プロセス」「レベル2」を受講。詳しくはHP「修行な日々」http://www.oishi-atsuko.comで。



