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孝美的買い物指南「暮らしにひとつ、私のお気に入り」

本誌連載記事「松本孝美の今日もお出かけ、着物日和」で、素敵な着物姿を見せてくれている孝美さん。このホームページの連載では、毎月手に入れた小物や食材など「お気に入りのお買い物」を公開! Vol.35は「単衣のきもの」です。

撮影・文/松本孝美Vol.35 単衣のきもの

絽目が涼しげ。

 四十歳になった頃から着物に興味を持ち始め、新しく誂えたもの、父親が着ていたものを仕立て直したものなど、ふだんの着物から訪問着まで(プレシャス本誌一月号で紹介させていただきました)ようやく揃ってきたところです。本誌連載「今日もお出かけ、着物日和」で毎回いろいろと勉強させてもらっていることに加え、プライベートでも的確なアドバイスを下さる方々に恵まれているおかげで、短い期間でも組み合わせのバリエーションを楽しむことの出来る着物や帯を買うことが出来ているのはありがたいことです。

 ところが、今まで無かったのが単衣の着物。二十代で母にひととおり揃えてもらった時も結局単衣は誂えなかったのです。暑い季節にわざわざ着なくても・・・と思っていたのでしょうし、私自身どうも単衣の着物に惹かれなかったのです。単衣というと、なんとなく儚げな色と柄という思い込みがあり、自分には似合わないと決め付けていたところもあります。ここ二〜三年でいろいろと誂えるようになってからも、盛夏用の織りのきものは誂えたのに、まぁ単衣はひとめぼれするようなものがあれば考えるか、または無地で・・・くらいに思っていたほどです。

“ひとめぼれ”して手に入れた茶屋辻の帯と合わせて。

 “ひとめぼれ”やってきました。去年の夏です。でも相手は帯。たくさんの帯が並んでいる中パッと目が合ってしまいました。茶屋辻柄の染め帯です。茶屋辻の柄、大好きなんです。でも聞くと、名古屋帯でもう仕立て済みということ。わたしは背が高いので仕立て済みの名古屋帯だと幅が狭すぎるのです。仕立て前だったら良かったのになぁとあきらめようとしましたが、どうも目から離れない。でも単衣の着物もまだ無いし、その時すでに六月だったので来年になってもまだこの帯があればもう一度考えようという選択をしたのです。

 そうしたら、今年もあるじゃありませんか。やっぱりすてき・・・。でも幅がね・・・、 着付けの仕方でバランスよく見せられるかな?とかブツブツ言っていたら、仕立て済みではあるけどまだ新品なので一度解いて開き仕立てに出来るでしょうという助言があり、いっきに明るい未来が開けてきたのでした。そこからはもう早い展開で、着物は絽ちりめんで良い白生地があるのでそれで作りましょうということになり、色は少しグレーがかった水色に決定。あぁもう楽しみ!!しかも絽ちりめんは単衣としても薄ものとしても着られると聞いて大喜び。そして喜びついでに、五月の終わりに出来上がるのを待つあいだに野蚕のこげ茶の帯まで購入・・・。これは九月のコーディネート用です。帯によってこんなにも印象が違うなんて着る楽しみも倍増です。

様々なコーディネートができます。

 茶屋辻の帯との組み合わせの場合は涼しげに見えるのが第一で、古典柄をクールに着るのが目標です。こげ茶の帯の場合は、帯締めで更にいろいろと楽しめそう。色違いで三本持っている道明さんの「三井寺」はどれもしっくりと合い、その時の気分で選べそうです。 実はこの着物には刺繍紋をしてあるので、改まった席用の組み合わせに単衣でも締められる桐段紋の帯を合わせてみました。いつもお世話になっているいわもとさんが控えめな刺繍紋を入れて下さるお陰で、普段のお出かけから改まった席まで無地の着物を幅広く着ることが出来るのです。深い知識とアイデアのあるプロフェッショナルに頼れるということは本当に心強いことです。

 単衣の着物が出来たことで、夏のお出かけが楽しみになりました。いつもは洋服で済ませていた暑い時期の集まりにも今年は着物で行ってきます!クールに!


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