web-precious コラム

孝美的買い物指南「暮らしにひとつ、私のお気に入り」

本誌連載記事「日々是こころは休日」での飾らない、でもセンス溢れる暮らしぶりが大好評の松本孝美さん。このホームページの連載では、毎月手に入れた小物や食材など「お気に入りのお買い物」を公開!Vol.18 『日野間道』の帯です。

撮影・文/松本孝美 Vol.18 『日野間道』の帯

シックな黒
グリーン
小豆色

 今回は本誌二月号から着物の連載が始まったこともあり、京都のいわもとさんで最近購入した西陣・帯匠丹波屋製の『日野間道』の帯をご紹介します。
 若い頃から和服に興味があったので着付け教室に通ったりしていましたし、母には、それこそ単衣の喪服まで必要なものは揃えてもらっていました。が、三十代、それらの着物に袖を通すことが一度もなかったのです。ところが四十歳を超えたとたん無性に着物が着たくなり、ちょっとよそいきに着られるものから少しずつ買い始めているところです。
 考えてみれば三十代は、ヘアスタイル、服装などどれをとってもコレ!というものが見つけられなかったんですね。感覚は若い頃のままでも顔に映らないことが多く、がっかりしたことがどれほど多かったか・・・。でも四十歳前後から、本当に好きなもの着たいものが少しずつ見えてきたような気がします。
 わたしはどちらかというと着物よりも帯に目が行くようで、いわもとさんでは帯を購入してから、それに合う着物を探したり染めて頂いたりしていました。でも、この『日野間道』の帯はその逆。ある帯に合わせて作ってもらっていた墨の結城紬が仕立てあがってきたのでお披露目しようと着て行った際に、この『日野間道』に目が釘付けに・・・。いつもなら敬遠する色、そして縞模様。でもこの色で縞模様だからこそ、その日着ていった墨色に合わせてみたいと思ったのです。縞は背が高いわたしにはモダンになりすぎるのではと思って敬遠していたのですが、よろけ織りという縞が立体的に見えるような織り方と温かみのあるベージュ地に紅色(あとで資料を読むと蘇芳という色でした)の組み合わせが何とも魅力的思えたのです。それもそのはず、間道は名物裂のひとつでインド方面の織物を祖としていると資料にあります。インドやペルシャの織物(カーペットとかドリス・ヴァン・ノッテンのショール、古いサリー生地などなど)の模様や色が大好きなわたしの気にならないはずが無かったのです。

愛らしい色合い

 墨の結城紬に合わせて購入した帯でしたが、昨年三月号で着た緑色のお召しにのせるときりっとしつつ華やかな印象の組み合わせになるし、二十年ほど前、母に作ってもらったグレーがかったピンクの大島紬にのせるとまるで着物が若返ったように生き生きとしてくるから驚きです。
 着物を着たい、ということから始まった四十歳からの着物探しですが、こういう出会いや驚きがあるからますます楽しくなってきました。何年も前のものが蘇るのも着物の良いところで、今は父が着ていた大島を仕立て直してもらっているところです。

 また目が釘付けになったら、ここでご報告することにします。お楽しみに!?

 


小学館のプライバシーステートメント ◆ Privacy pollicy

©Shogakukan Inc. 2009 All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。