web-precious コラム

孝美的買い物指南「暮らしにひとつ、私のお気に入り」

本誌連載記事「日々是こころは休日」での飾らない、でもセンス溢れる暮らしぶりが大好評の松本孝美さん。このホームページの連載では、毎月手に入れた小物や食材など「お気に入りのお買い物」を公開! 第9回目は「アスティエ ド ヴィラット」のピッチャーです。

撮影・文/松本孝美Vol.09 「アスティエ ド ヴィラット」のピッチャー

 本誌5月号『日々是こころは休日』の神楽坂散策で、ガラス作家安土さん(Vol.1で徳利を紹介しています)のピッチャーを見つけ、またまた買ってしまいました。「またまた」というのは、安土さん作の別のピッチャー(取っ手がないので正しくはデカンタかな?)をすでに持っているから。ピッチャー、好きなんです。だからと言って家で飲み物をそれに移してテーブルに出すという本来の使い方はしたことがありません。花を飾るのに使います。安定感があり扱いやすく、見た目にも様になるような気がするのです。でも、今回ここで紹介するのは安土さんのではありません。 ・・・そう、また買ってしまったのです!
 このピッチャーは、「アスティエ ド ヴィラット」のもの。ここの食器はすてきなものが多く見ると欲しくなってしまうので、なるべくシンプルで素朴そして甘さの無いデザインを厳選して選んでいます。Vol.3で小さくカットした栗蒸羊羹をのせているお皿も「アスティエ ド ヴィラット」です。フランス製なのに不思議とお皿には和菓子、小ボウルには日本茶が合うのでおもしろいなと思っていたら、作者は日本の楽焼からも影響を受けていると聞き納得。ひとつひとつが手づくりで、同じものでも微妙にかたちが違うから選ぶのはじっくりと。これは安土さんが作る器を選ぶのと同じ楽しみです。
 実はこのピッチャー、去年あるセレクトショップで見つけていいなぁと思いつつも、他の買い物を優先したり、荷物か多かったりと何度も買いそびれていて、今日こそは!と勇んで行った時にはすでに売れてしまっていた・・・という悲しい物語?があったのです。しかし先日感動の再会! もちろん即購入しました。大きい器は一点のみの入荷が多いので選ぶ楽しみがないのが残念ですが、シンプルで温かみのあるかたちのピッチャーです。

 さて、何を活けようかな・・・? あまりにもかわいい花や、パステルカラーの花を活けると甘すぎるイメージになりそうです。こういう時に重宝するのが“秋色あじさい”。何ともいえない微妙な色合いで、うちのような古い家にも良く馴染みます。ピッチャーの前に置いているのは同じく「アスティエ ド ヴィラット」の鳥。玄関にキャンドルと一緒に置いたり、このように花と一緒に飾ったりと、小さいけどあるだけで絵になるある意味実用的な小物です。そしてもうひとつ活けてみたのは“すずめ瓜”。花屋さんで見つけるとついつい買ってしまう『実もの蔓もの』のひとつです。今回買ったのは蔓が長めだったので下に垂らす部分と壁に小さなピンを打って這わせる部分を作ってみました。が、ちょっと寂しかったのであるカタログから切り抜いていた蝶々も参加させて、ディスプレー風にアレンジ。

 このピッチャーは、咲ききって今にも花びらが落ちそうな花や、ちょっと元気がなさそうな花でも受け入れてくれそうな気がします。「アスティエ ド ヴィラット」の器を見ていると「そんな日もあるさ・・・」とどこからか優しい声が聞こえてきそうです。

 


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